自由度高く、遊び心をもってヘルスビッグデータを使い倒せる環境とは

医療ビッグデータを活かした事業を幅広く展開しているJMDCには、事業創出にあたって活用できる魅力的な“アセット”が存在します。今回は、JMDCの製薬本部でコンサルタントとして活躍するマネージャー陣にインタビューを実施。レセプトデータを基盤にした豊富なアセットから、事業を生み出せる面白さ、JMDCならではのアセット活用の特長をうかがいました。

 

■インタビュイー紹介

加納 真(かのう まこと)
21年1月入社 製薬本部コンサルティング部 部長

 

野本 有香(のもと ゆか)
21年4月入社 製薬本部コンサルティング部 プリンシパル

 

田中 重雄(たなか しげお)
20年4月入社 製薬本部コンサルティング部 マネージャー

 

データを基盤にした豊富で質の高いアセット

――皆さん製薬本部のコンサルタントとして、製薬企業の課題を解決するソリューションを提案されていますよね。現在に至るまでのキャリアを教えてください。

野本:私は新卒でマッキンゼーに入社し、5年間コンサルタントとして従事しました。ヘルスケア関連の案件に携わることが多く、その知見を深めたいと思ったのと、コンサルだけではなくて実際にPL(損益計算書)責任を持ってビジネスをやりたいと思い、JMDCに入社しました。現在は製薬企業の課題やニーズに応じて、データを使ったコンサルティング、ソリューション提案を行っています。

https://blog.jmdc.co.jp/entry/2022/07/14/100000

 

加納:私は企業研究者としてキャリアをスタートしたのちに、そこから戦略コンサルへ移ってヘルスケア領域を中心にクライアントを支援してきました。前職ではM&Aの戦略支援をする中で、データビジネスの可能性に気付き、そのど真ん中であるJMDCに入社したという経緯です。現在は製薬本部のコンサルティング部で部長として全体を統括する立場にあります。

https://blog.jmdc.co.jp/entry/2022/08/25/100000

 

田中:私は二人とは少し異なり、大学を出てからは医療業界をいろんな角度から見てきました。薬剤師として現場経験を経て、内資系製薬企業に10年間ほど在籍しました。学術からマーケティング戦略、経営企画にも携わりました。その後、医療系のM&Aのコンサルや、地域医療の課題解決支援、AIのスタートアップ企業で創薬を支援するプロジェクトデザインを行ったりと、さまざまな事業を経験して。その中で様々なソリューションに触れながら、一番示唆に富む、現実性のあるソリューションは「データ」だと感じて、JMDCに入社しました。

https://blog.jmdc.co.jp/entry/2022/10/06/100000

 

――皆さん「データ」をキーワードとして挙げてくださっていますが、本インタビューの主題である「JMDCのアセット」の中心もデータでしょうか。

野本:一番コアになっているアセットというのがデータですね。特に弊社だとレセプトデータと言われるものです。レセプトデータには保険者のデータ、医療機関のデータなど、ソースによって複数の種類がありますが、それらを網羅しているので、目的に応じて組み合わせて使える。その規模の大きさがJMDCのデータの特長です。

コアとなるデータがあるからこそ、新規事業やサービスを生み出せる。また、JMDCにはさまざまなグループ会社があり、レセプトデータとはまた別の、例えば医師や患者のプラットフォームから得られるデータもあります。それらを組み合わせることでまた新しい事業やソリューションが生まれる。データを基盤として、その上にサービスやグループ会社などが載って、バラエティに富んだアセット群が成り立っていると考えています。

 

弊社の扱うレセプトデータについての記事もございますので、ぜひ一読ください

▼【エンジニア向け】医療データの種別を超解説 Vol.1 〜保険者データ編〜

blog.jmdc.co.jp

▼【エンジニア向け】医療データの種別を超解説 Vol.2 ~医療機関データ編~

blog.jmdc.co.jp

 

加納:まだまだデータビジネスってすごく勃興期な部分もあって。何をデータとして取ったら価値があるのか、実は定まっていなくて進化の途上にあります。プライバシー等にも配慮しながら新たなデータを取得し、加工し、そのデータに価値を生み出すところまでを「データバリューチェーン」と呼んでいるのですが、JMDCはそのすべての過程をカバーできる。

 

▲ヘルスビッグデータで医療の進化を支援

これを実現できるのも、JMDCにこのデータバリューチェーンを支える人材が揃っているからです。われわれ戦略コンサルのようにビジネスが分かる人や、製薬企業の動向にくわしい人、データサイエンティスト、個人情報保護法の専門家、データ基盤を扱うエンジニアなど、プロフェッショナルが密に連携できる環境にあります。

そうすると、われわれフロントサイドで「こういう価値を出すために、こういうデータをとってきたらいいんじゃないか」というフィードバックをし、他部門と連携してデータ新規取得をリードしたり、あるいは単にデータを提供するだけでなくそこから得られる意味合いまで提言することで、提供する価値を高めることができるんですね。

データって静的なものではなくて、実は生き物のように変化する。バリューチェーンを進化させていけるのは、非常に強いアセットなんじゃないかなと思います。

 

田中:JMDCのデータについて、もう一つ強みを言うならば、それは質の高さなんじゃないかと思います。レセプトデータは扱うのが難しい本当に複雑なデータなんです。それがクレンジングされていつでも使える状態に整っているのはすごいこと。これが実現しているのは、先ほどのデータバリューチェーンを支える人材がひとつの要因でありつつ、JMDCが投じてきた時間も大きな要因といえるでしょう。言い換えれば、データベースを蓄積していく中で、どういう形がベストかを模索したり、都度発生するトラブルに対処したり。そういったヒストリーあってこそのデータベースのクオリティではないかと。

 

JMDCのアセットを活用する面白さ

――JMDCのアセットを活用する面白さを、皆さんどんなところに感じていますか。

野本:先ほど言った通り、データの上にさらに豊富なアセットがあります。医療に関連するプレイヤーと紐づいたサービスがあり、それらを掛け合わせることでできることも多い。あらゆるプレイヤーを押さえているがゆえに、課題解決のために本質的な働きかけができるのはいいなと思いますよね。製薬本部といっても製薬起点のデータで製薬企業にだけ働きかけるわけでなく、課題やニーズに合わせて医師なのか患者なのか、薬剤師なのか、働きかける対象を見極めて実際にアプローチできるわけです。

 

田中:それはデータドリブンを超えた、「エコシステムドリブン」とも言えると思います。ただ単一のレセプトデータを見て、分析して、そこから何か発見できますよ、というだけではなくて。

例えば、JMDCは、健保向けの保険事業支援をしているからこそ、レセプトデータが入ってくるわけです。その傍らで、健保加入者が受けている健康診断の値をレセプトと結び付けてソリューションを考えることもできるようになっています。もしくは加入者が利用する健康情報プラットフォームからアウトバウンドに何か発信しながら、効果検証型のソリューションを生み出したり。そのような、分析とアクションを双方向で進めるような、エコシステム的なソリューションは他ではできないことですね。

 

加納:さらに私がなによりもいいと思うのは、データの起点は患者さんなんですよね。患者視点の問題を考えて、解決することで製薬企業にとってもベネフィットが生まれる。あくまで大前提として、患者のためになるかという視点で事業に取り組めることは、やりがいになっています。

 

――質が高く豊富なデータから見えてくる患者さんの課題やニーズは、相当リアルなものになりそうですよね。

加納:医師や患者へのインタビューで集めたデータだと記憶やイメージに頼ったものになりがちですが、レセプトデータだと客観的でリアルさが違う。データを見ていると患者さんの人生が浮かんできて、患者さんに少し共感さえするような。「もう少しこうできていたら、患者さんのこの後は変わったんじゃないか」といった想像をしながらソリューションを考えられるのは、やりがいでもあり責任も感じるところですね。

 

野本:コンサルファーム等でローデータを分析するときは、通常自社でデータを持っていないのでプロジェクトの最初の方で必要なデータを設計しきった上で買い、基本はその中でできる分析をするに留まってしまうんですよね。

でも、JMDCは自身であらゆるデータを持っているので、どこまでも探索的にデータを見に行くことができる。プロジェクトの途中でわかってきた課題に対して、「データをこう見てみたら面白いんじゃないかな」といった遊び心のあるデータの深掘りができるのは楽しいんです。

そうすると、本当に患者さんの人生が想像できるし、私はさらにSNSで同じ疾患の患者さんのつぶやきを見て重ねて、どんな課題解決ができるか考えたりします。すごく面白くてやりがいのある部分ですね。

 

▼医療ビッグデータを活用した「ペイシェントジャーニー」の取り組みについての記事もございますので、ぜひ一読ください。

blog.jmdc.co.jp

 

――他にも、コンサルファームとの違いを感じられているポイントはありますか。

野本:ちょうど昨日お客様から「JMDCのコンサルティング部でしかできないこと」と言っていただきまして。というのも、レセプトデータって癖があって、正しく解釈するには少々コツがいるんです。それを適切に扱いながらも、ただのデータベンダーではなく課題ドリブンな動きをする。そのお客様もレセプトデータの難しさをわかっているので、「JMDCのようにデータのことも分かっていて、ちゃんとコンサルティングもできる方にしかお願いできないですね」と。嬉しかったですね。

 

加納:データを探索的に見ていくと、ある疾患領域で起きている問題を、もしかすると自分が最初に見つけたんじゃないか、という発見ができることがあります。特定の領域を誰よりも早く詳しく知れるというのは、知的好奇心という意味でも面白いです。

 

――アセットを活用してコンサルティングや事業作りをする中で、「これはJMDCでしか実現できない」と感じるポイントはどこですか?

加納:データバリューチェーンを最初から最後までカスタマイズしたり、生み出したりするのは、なかなか他の会社ではできないのではないでしょうか。それは先ほど言ったような人材同士が、フラットに連携しあえているからこそ。各部署に働きかけることで影響力を起こせるので、例えば「このニーズがあるからこのデータの標準化を進めてほしい」といった働きかけもできます。

もちろん制約はある中ですが、あれこれトライすることは、私自身は結構遊び感覚でやっています。「このデータがある中で分析しなきゃいけない」のではなく、このデータをどうやったら取れるか、あるいはそのためにはどういうコミュニケーションが必要か、から考えて実行に移せる。自由度が非常に高いというのは、非常に面白いところかなと思います。

 

田中:一方で、そういった遊び心や自由度の高さがあることって、ともすると思考が発散して、散らかりがちになることもありますよね。なので、自由度の高い中でもちゃんと事業として成立することが大事。そこを実現できていることも、実はJMDCの強みかなと思っています。

僕から見れば、そのからくりのひとつが戦略コンサル出身のシニア人材の存在だと思います。コンサルティングファームでいろんな情報ソースに触れ、いろんな調査手法やアプローチを使って、課題を解決してきた知見があるので。多様なものを多様に扱えるだけではなく、それを最適化できることも、大事なアセットなんじゃないかと思います。

 

仲間が増えている「今」が面白い

――皆さんは、JMDCの現在地をどのように見ていますか。

田中:JMDC、今が面白いと思いますね。今、グループが急速に拡大して、取りうるアプローチや編み合わせが増えている状態なんです。企業、事業、サービス、どれをとっても発散してる状態で、個人的にはこの先、おそらく筋の良いところに収束していくだろうと見ています。増やすだけでなくある程度収拾をしないと、競合も増えていくわけなので、勝てるものに集中していく必要があって。

なので今、発散している選択肢からどれだけ筋の良いものを見極められるかがかなり勝負どころ。戦略コンサルティングファーム出身の方など、構造的・本質的に物事を考え抜ける方に来ていただくことで、発散から収束のフェーズを効果的に進められるのではと思っています。

 

加納:たしかに、今がちょうど面白いタイミングですね。データベンダーからさらにコンサルティング会社、さらに実行まで支援できる会社へと変化している。ヘルスケアシステムの変革者になっていく、その絵をまさに今描かんとしているタイミングです。

JMDCには強力なアセットやデータという基盤がある。さらに、グループ会社の仲間も増えてきた中で、「一緒にやったら何ができるだろう」と考えながら絵を描くことは、難しいけれど、だからこそ面白い仕事だなと思います。絵を描いて試してみては、修正するということを繰り返しながら、突き進んでいくような感じですね。それによってデータビジネスを中心とした新興の産業の中で、誰も見たことのない世界を目指して行ける。

 

▲データビジネス事業の今後の可能性

 

――ヘルスケア領域のフロンティアだからこそ、チャレンジが広がっていることが難しさであり、やりがいなのですね。

加納:先ほども申し上げたように、われわれ自身も変革しながら、ヘルスケアデータビジネスの業界を新たに切り拓いています。これは難易度が高く時間もかかりますが、JMDCだからトライしていける。データという基盤と豊富なアセットがあるからこそ、またそういう風にビジネスの特性を理解してるからこそ、5年10年先を見据えて将来のビジネスも仕込んでいけるんですよね。

 

田中:この先のチャレンジで言うと、今あるアセットの活用だけではなく、これからどんな会社にグループインしてほしいか、どの会社と外部連携すると面白いか、そういった方向に思いを馳せていけるのが次の長期的なフェーズではないかと思います。今は肉やその辺にある食材をどう使うかという話ですが、これからはあと何の味が足りないか考えていく段階になるので、面白い気がしますね。

 

野本:フロンティアだからこその難しさだと思うのは、例えば今まであまりデータを活用していなかった部署に、「リアルワールドデータを使ったらこんなことができます」といった提案を持って行っても、「データにそんなにお金を払う意義があるんですか」と懐疑的に受け取られてしまうことがあります。その中でも提案をくり返す中で、すごく共感してくださる製薬会社の方もいて、そこは今後も頑張ってしっかりニーズのあるビジネスとして展開していきたいなと思ってるところです。

――最後に、皆さんそれぞれの今後のチャレンジや目標を教えてください。

野本:先ほど、直近新規でお話させていただく方々の中でも我々のヘルスビッグデータの価値に共感してくれる方がでてきたという話をしましたが、それをどんどん広げて、世の中的にもニーズが大きく社会的意義のあるデータやサービスを我々が浸透させたと、自信を持って言える状況を作り上げたいというのが一番の目標です。

 

加納:JMDCの多様な仲間が、ベクトルを合わせながら大きなエコシステムを作っていくプロセスは、トップダウンにやるのとはまた違うんですね。ヘルスケアという複雑で社会課題と密接な領域では、それぞれの意欲やパッションを大事する必要があると思っています。それゆえにすごいことができるというメリットがある一方で、組織的にはチャレンジもあると思っています。昔からあるようなM&A戦略とは違うアプローチでの組織運営が求められると思うんです。個人的にはそこが面白いポイントであり、力を入れていきたいなと考えています。

 

田中:今はなかなか手をつけられていない創薬シーンでのアセット活用に挑戦していきたいですね。製薬会社を支援する意義は、患者さんと薬剤をつなぐことはもちろんですが、必要な薬剤を生み出すことも大きいと思います。そこに資するアセットやソリューションを模索していきます。

また、指定難病や希少疾患の方に、薬や治療法を届けたいということもずっと考えていて。広がるアセット・増える仲間とともに、解決の道筋を見つけていけたらいいなと思っています。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
もし少しでも弊社にご興味をお持ちいただけましたら、こちらの採用ピッチ資料に詳しいことが記載してありますので、ぜひ一度ご覧ください。