お知らせ:生活経済学会 第36回研究大会会長賞の賞状が届きました

生活経済学会 第36回研究大会会長賞の表彰状が届きました!改めて喜びを噛みしめながら受賞者・永井より本研究内容とJMDCデータがどのように使われたかお伝えします。

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近年、生命保険業界では健康増進型医療保険が盛んに開発されています。健康増進型医療保険は、生命保険会社が独自に設計した健康関連指標(例えば、健康年齢®など)を用いて、被保険者の健康改善にインセンティブを与えるという仕組みの保険です。このような保険を積極的に提供することで、個人の健康改善努力の促進、生命保険会社の保険金支払いの削減に加え、社会全体の医療費の削減にも貢献することが期待されています。

共同研究者の米山高生先生(東京経済大学経営学部教授)が研究されている「マイナスのモラルハザード」は、健康増進型医療保険のこのような機能を表現した概念です。保険で一般に呼ばれるモラルハザードは、被保険者が保険加入により注意を怠るようになるため発生率が高くなってしまうというネガティブなものです。これに対し、健康増進型医療保険では、このモラルハザードと同様に被保険者の意識変化が原因となるものの、発生率を逆に低くする方向に動かすというポジティブな意味で、論文では「マイナスのモラルハザード」と呼んでいます。

今回の研究は健康増進型医療保険の根本に関わる次の問題を研究対象としました。

  • 「マイナスのモラルハザード」が本当に起こるのか
  • すなわち意識変化が起こったとして健康改善に関する知識がそれほどでもないと考えられる被保険者集団においてリスクが本当に減少するのか

なお、意識変化は直接確認できないため、健康保険組合の加入者集団におけるJMDCのPepUpアプリへのログインというものが代替として研究に使用されました。結果は、いくつか例外はあるものの概ね肯定的でした。このような重要なテーマでJMDCのデータやPepUpアプリのログインデータが使用されたというのはJMDCの社会貢献という意味で素晴らしいことだと考えています。

 

共同研究「生活経済学会研究大会会長賞」のお知らせのリリースhttps://www.jmdc.co.jp/news/news20200915/

 

「生活経済学会研究大会会長賞」受賞論文掲載のお知らせのリリースhttps://www.jmdc.co.jp/news/news20210413/