リクルート、メガベンチャー等を経てJMDCにジョインしたエンジニアが、エンジニアリングと企画の両輪で取り組む社会課題

リクルート/Quipperでスタディサプリの開発に携わり、スマートニュースでは広告事業の開発を担うなど、モバイルアプリエンジニアとして華々しい経歴を持つ片渕さん。現在はPep Upのモバイルアプリチームでエンジニアリングマネージャーを務めており、開発だけでなく企画側も含めた幅広い領域における組織体制改善にも携わっています。

様々な業界に加えて、ヘルスケア領域での経験も持つ片渕さんが思うJMDCの強みはどこにあるのか。また、片渕さんはJMDCでどのようなキャリアを目指しているのか。お話を伺いました。

 

<プロフィール>
片渕 真太郎(かたふち しんたろう)株式会社JMDC プロダクト開発部 ユーザープラットフォームグループ マネージャー
リクルート、およびQipperにてスタディサプリの開発に携わり、スマートニュース等を経てJMDCに入社。現在はPep Upを開発するモバイルアプリチームのエンジニアリングマネージャーを務める。

 

リクルートからスマートニュースへ、エンジニアとしてグローバル事業に携わる

――まず、片渕さんのご経歴について教えてください。

キャリアの最初に入社したのは、リクルートテクノロジーズ(現在はリクルートに吸収合併)です。ちょうどiPhoneやAndroidのアプリ開発が最盛期だったこともあり、スマートデバイス開発室という部署でゼクシィなどのアプリ開発に関わりました。

その後、スタディサプリ(当時は「受験サプリ」)の開発に携わることに。2015年、元DeNAの渡辺さんが立ち上げた学習サービス「Quipper」を吸収統合したことを機に、私はQuipperへ出向しました。日本向けにはスタディサプリ、フィリピンやインドネシアなどの海外向けにはQuipperの名前でサービスを提供しており、グローバル向けのアプリに関われたのは貴重な経験だったと思います。

 

リクルートに入社して約5年経ったころ、転職を考え始めました。リクルートは5年ほど在籍すると退職して、その後起業する方も多いというユニークなカルチャーの会社なんです。自分も当時20代で、一度転職を経験しても良いかなという気持ちでした。

そして転職したのがスマートニュースです。Quipper時代の同僚がスマートニュースに転職したため話を聞いたところ、米国市場に本気で挑んでいるとのことで興味を持ちました。当時はまだ米国市場に参入するIT企業が珍しかったんですよね。広告事業の部署に所属し、エンジニアやエンジニアリングマネージャーとして、広告収益を得るためのシステムを開発していました。具体的には自社で開発したSmartNews Adsという広告ネットワークや、GoogleやFacebookなどの広告を組み合わせて、いかに効率よく収益を上げていくかという仕事です。

 

思えば常に刺激的な環境を求めていた気がしますね。若さもあって、アドレナリンに突き動かされることを楽しむタイプだったのかもしれません。ただ、2022年に子供が生まれたことで興味の方向が少し変化しました。

 

二人のロールモデルに影響を受け、JMDCへ

――どのように変化したのでしょうか。

社会課題に関心を持つようになりました。小さい子って急に熱を出したりしますよね。そのたびに医療機関にお世話になって、自然と意識がヘルスケア分野に向いていきました。また、よく言われますが日本は高齢化社会が進んでおり、社会保障費が増加しています。そうした問題意識から、社会課題のなかでも特にヘルスケア領域に興味が湧いてきたんです。

そこでスマートニュースから次のキャリアとしてオンライン診療ビジネスを展開するスタートアップ企業に転職しました。

 

――そこからJMDCに転職されたきっかけは何だったのでしょうか。

決め手の1つになったのが、現在JMDCの執行役員をしている倉岡さんの存在です。実はQuipper時代に倉岡さんと知り合っていて、当時の倉岡さんの会社にお誘いしていただいたこともありました。その後、倉岡さんがJMDCに参画されたことを知って、改めて自分のキャリアについて考えました。

倉岡さんはGoogleでプロダクトマネージャーとしてキャリアをスタートさせ、起業を経て、現在はJMDCの執行役員と、常にキャリアアップをされています。私もこれまでエンジニアを10年以上やってきたわけですが、倉岡さんのようにもっと自分の領域を広げたくなりました。それを倉岡さんに話したところ、「JMDCならそれができるよ」と言っていただけたんです。

 

▼倉岡さんの記事もございますので、ぜひご覧ください。

blog.jmdc.co.jp

 

またスマートニュースに在籍していたころ、前田さん(スマートニュース当時:VP of Ad Product、Head of Engineering)という方がいて、彼のキャリアにも影響を受けています。前田さんは元々DeNAでアーキテクトをしていて、その後スマートニュースではエンジニアや広告事業のVPをされていました。

私はそれまでエンジニアとプロダクトマネージャーはきっぱり分かれているものだと思っていたんです。しかし、前田さんはどちらの視点も持ち、エンジニアの知識を活かしプロダクトマネージャーとしてもプラスにするし、逆もまた然りということを体現していました。さらに、組織で働いていると様々なわだかまりが出てくると思いますが、前田さんはそうした部分には無頓着で、とにかくサービスでインパクトを作ることを志向されていました。そんな前田さんが私にとってのロールモデルになっています。

 

――JMDCという会社を知ったときの印象はいかがでしたか。

ヘルステックで働いたことで、ヘルスケア領域のビジネス構造の理解が進み、その上でJMDCのビジネスモデルは非常に強いと感じました。保険者*からレセプトや健康診断のデータをお預かりして、そのデータを分析可能な状態にするというのは、他社では簡単には真似できない強みです。

*保険者:医療保険制度の運営、実施主体を指し、健康保険組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)、市町村国保、国民健康保険組合、共済組合等のこと

 

▲2025年3月期 通期決算説明会資料より抜粋

また、これは入社後に知りましたが、JMDCのPep Upも非常に優位性のあるサービスです。Pep UpはPHRサービスといって、個人が自分の健康や医療に関する情報(PHR:Personal Health Record)を保存・管理して予防や健康づくりに役立てるサービスになりますが、健康管理って若ければ若いほどモチベーションがわかないんですよね。そのため、世の中には様々な健康管理サービスがありますが、あまり使ってもらえていないという現状があります。ところが、Pep Upはある意味、健康診断結果や医療費の確認という健保とのコミュニケーションツールとしての側面があるので、健康に関心があまり高くない方にもサービスを届けることができる。これは競合ができないアプローチで非常に面白いと思います。

 

――先ほどエンジニアには固執せず、キャリアを広げていきたいというお話しがありました。JMDCでなら、そうしたキャリアを実現できると考えていますか。

そうですね。実はそうしたキャリアの実現は、社内での課題感とも関連することなんです。というのも、Pep Upを開発しているチームと企画チームはそれぞれ良い仕事をしているのですが、連携については十分ではなかったんです。そこをフォローするために、両方に首を突っ込むような振る舞いが求められていました。それはまさに私が志向しているキャリアの姿です。

 

また、エンジニアという役割に固執しない理由はもう1つあります。Pep Upは保険者を経由してサービスをご利用いただくいわゆるBtoBtoCモデルのサービスの為、通常のtoCサービスよりも多くのステークホルダーを巻き込みながら仕事を遂行していく必要があります。また、オンラインで完結しないオペレーションやPep Upの利用方法の啓蒙などソフトウェアの外側の世界で行われている活動も多々存在します。

この様な状況下でインパクトを生み出せるようにシステムとオペレーションとビジネスが連携して、プロダクトの成長に必要な要素すべてに関われるようになりたいと考えています。

 

JMDCはエネルギッシュながらも落ち着いた雰囲気の会社

――JMDCに入社してからの業務について教えてください。

アプリ開発基盤チームに所属し、Pep Upのモバイルアプリチームのマネージャーを務めています。現在はアプリのホーム画面の刷新や、オムロンとの連携などを進めています。Pep Upアプリのホーム画面刷新では、連携した健康データを全面に押し出すようなリニューアルを行いました。これは、Pep Upになるべく毎日アクセスしていただけるよう、リテンション改善を目的としたプロジェクトです。

 

開発チームの構成

 

――実際に入社してみて、JMDCはどのような会社だと感じていますか。

これは良くも悪くもですが、やはり東証プライム上場企業ということもありスタートアップほどのカオスさはないですね。一方で、リクルートに似たエネルギッシュな雰囲気も感じています。これは、JMDCが複数のサービスやプロダクトを展開しているコングロマリット的な組織だからかもしれません。一つのサービスに注力するのではなく、グループ会社も含めたくさんのサービスを保有するからこそ様々なアプローチができるメリットがあります。

ただ、リクルートと比較して雰囲気は落ち着いていると思いますね。医療という社会インフラに関わる仕事をしているんだという意識を持っているからこそ、落ち着きのある印象なのだと思います。

 

JMDCのそうした真面目さは、データサイエンティスト部門の存在にも表れている気がします。データサイエンティスト部門はJMDCの研究機関のような役割も持っており、様々なプロフェッショナルが所属し、研究や論文執筆を行っているんです。大企業であれば研究機関を持っていることもありますが、JMDCくらいの規模感では珍しいかもしれません。

 

▼データサイエンティスト部門の責任者である浜田さんの記事もございますので、ぜひご覧ください。

blog.jmdc.co.jp

 

――データサイエンティスト部門とも連携を取ることがあるのでしょうか。

はい。書かれた論文を参考にして、Pep Upへの導入方法を検討することもあります。わからないことがあれば、直接訪ねて執筆者に質問したりもしますよ。こうしたアセットが社内にあるのは大きいですね。一から探したり、自分で論文を書いてモデルを作っていると、それだけで年単位の時間がかかってしまいますから……。

 

▼過去のJMDCの論文実績について確認ができますので、ぜひご覧ください。

www.phm-jmdc.com

 

開発と企画の距離感を縮め、プロダクト開発のスピードを上げていきたい

――今後、JMDCではどのような取り組みを行っていきたいですか。

まず改善していきたいことは、開発チームと企画チームの連携強化です。コミュニケーション不足で手戻りが発生しないように、要件をガチガチに固めてしまうとリリースが遅れることもあります。そうした点を改善するために、マインドセットを変えていく取り組みも私のチームで担当しています。実際にビジネス的な部分でもインパクトが出ており、今後は成功体験を積み上げて組織全体に波及させていきたいと考えています。

また、Pep Upユーザーよりお預かりしている健康診断や日々の健康記録といったデータをベースに、より健康になっていただけるような情報を提供し行動変容に繋げていきたいと考えています。

私個人の想いですが、日本の社会保障費は右肩上がりになっていて、それをどうにか最適化したいと考えています。そして次の世代の負担を少しでも減らしたい。どうせ仕事をするなら、社会課題のような大きなことに貢献していきたいです。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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