開発の最上流からチャレンジできる提案型開発とは

JMDCでは医療ビッグデータを活かした事業を幅広く展開しています。今回は主に保険業界を中心に、JMDCが持つデータやノウハウを駆使した新しいサービスを開発し、お客様にソリューション提供するインシュアランス&ヘルスケア本部をご紹介します。開発プロジェクトをリードする今出さんと相園さんにインシュアランス&ヘルスケア本部の業務内容や組織について伺いました。

 

<左:相園さん、右:今出さん>

<プロフィール>
今出 通(いまで とおる)インシュアランス&ヘルスケア本部 ソリューション部 PM
メーカー系SIerにて基幹システムの運用保守や、新規サブシステムの導入支援、またB2CサイトのITアドバイザリーやエンハンス開発のPMを経験した後、2021年10月にJMDCに入社。既存システムのPM補佐を経て、現在は新規開発を含むPM業務に従事。

 

相園 高志(あいぞの たかし)インシュアランス&ヘルスケア本部 ヘルスケア企画推進部 PdM
前職 DeNAにてゲームアプリのシニアプロデューサーやWEBサービスのプロダクトオーナーを経て、ヘルスケア事業へ異動。生保顧客向けアプリ「kencom×ほけん」の立ち上げとグロースチームのマネジメントを担い、保険商品企画では金融庁との折衝も担当。現在は、プロダクトやアプリサービスの企画・運営を担当。

 

機動力の高い組織体制と提案力が強み

−−インシュアランス&ヘルスケア本部の組織体制について教えてください。

相園:インシュアランス&ヘルスケア本部には大きく分けて4つの部があり、データに付加価値を与える提案から分析、またプロダクト企画・開発までを部内で一丸となって行うことができる体制を取っているのが特徴です。インシュアランス企画推進部はコンサルティングおよび営業、データサイエンス部はAIモデルの開発やデータ分析、ヘルスケア企画推進部はプロダクトの企画やグロースの推進、ソリューション部は提供するソリューションのプロダクト開発や運用など、それぞれの役割に応じた組織構成となっています。

 

▲インシュアランス&ヘルスケア本部の組織図

 

今出:また案件ごとに各部の担当者が横串でつながり、プロジェクトチームを組む形を取っています。案件によっても進め方はもちろん異なりますが、例えばデータサイエンス部がJMDCの医療データからモデル開発やデータ分析を行って提案の種を作り、インシュアランス企画推進部・ヘルスケア企画推進部・ソリューション部が一丸となって、お客様のところで企画・プロダクトを育てることもあります。この横の連携がうまく機能しており、機動力が高い点がインシュアランス&ヘルスケア本部の強さだと感じています。

 

−−実際に手がけたプロジェクトの例を教えてください。

相園:一例になりますが、健康診断結果をカメラで撮影すると、健康リスクが表示されるサービス開発などのプロジェクトを担当しました。このサービスは健康リスクをスコアで表示するだけではなく、リスクに対してどのような生活改善を行えばいいのかというアドバイスも表示します。

こういった健康リスクのプロジェクトは、複数の保険会社様で採用いただいています。現状を可視化し、生活改善につなげていただく点は各社近しいのですが、リスクの見せ方が異なります。例えば、生活習慣病リスクの保障に強い保険会社様であれば生活習慣病のリスクを中心に表示し、全般的な保険を扱う保険会社様であれば、全般的なリスクをどのように表示するかを考えながら開発します。

また保険会社様により、加入者の方の健康診断結果の提出が保険契約時だけの場合もあれば、毎年提出する場合もあります。後者では契約者に手間が発生しますが、自身が健康であることが示せれば当人にメリットがあるように開発されています。このように健康診断結果のデータをより有効活用ができないかと考え、我々から保険会社に提案することもあります。

 

▲インシュアランス&ヘルスケア本部のプロジェクト体制

 

−−他にインシュアランス&ヘルスケア本部ではどのような案件に携わることがあるのでしょうか。

今出:保険会社様のサービス拡大のための業務支援やDX支援をする案件もあります。例えば、保険会社様では保険加入申請時に「この方は本当に保険の加入リスクがないか」の引受審査をします。JMDCのデータを使うと、申告内容をもとに数年後のリスクをある程度予測することができます。例えば、これまでは過去の疾病歴に基づき保険引き受けができなかった方に対し「この疾病の再発リスクは低いため、保険加入していただいても大丈夫」というような判断をすることも可能となり、補償範囲を拡大することもできるのです。

他の例ですと、保険金の受取請求時に「この疾病は支払い対象か」のチェックができます。この辺りはまだアナログで紙で提出されたものをデータ化し処理していることも多いのですが、JMDCにはOCRで読み込んで支払い対象かどうかをチェックするシステムがあり、こちらは特許も取得しています。JMDCがこのようなシステム改善に向けたソリューション提案をすることもあります。

 

インシュアランス&ヘルスケア事業責任者の本間さんの記事で、当事業部の歴史や保険業界での優位性なども語っているので、ぜひご覧ください。

blog.jmdc.co.jp

 

案件の最上流から経験できる環境

−−インシュアランス&ヘルスケア本部における案件の特徴はどのようなところですか。

相園:先ほどは具体的な例を挙げさせていただいたのですが、日本の保険会社様の多くにJMDCのデータを活用いただいているため、その繋がりから「こんな企画を考えたのですが一緒にやりませんか?」という提案から始まる案件も多くあります。

 

今出:「お客様のサービス開発」と聞くと一般的には「これを作ってほしい」と依頼され、既に要件が決まっているものを開発するということを想起されるかと思いますが、インシュアランス&ヘルスケア本部では「こういうことをしたい」というようなお客様のニーズをヒアリングし、企画そのものから提案する案件が基本となっています。そのため最上流である企画から始まり、ユーザーの手元に届けるリリースやその後の運用までを担えることは非常に面白いですし、やりがいもあると感じます。

開発の側面でいうと、お客様のニーズを基にJMDCがグランドデザインを描いて提案するため、マネジメントやディレクションに集中できるという点も特徴です。例えば細かい仕様の確認は、相園さんがいるプロダクト推進室に聞くことで社内で完結できるためスピード感が出ますし、細かなヒアリングや調整も少なく抑えられるためQCD(Quality、Cost、Delivery)も守りやすいなと感じます。

 

 

また新技術を採用しやすい点も特徴の一つです。新規案件となる案件も多いため、各サービスに一番最適な技術を選定する意思決定もできるのです。

例えば前職のSIerでは社内向けシステムが中心で、クラウドへのリプレイスが難しい環境でした。一方でインシュアランス&ヘルスケア本部では新規案件も多いため、クラウドを選択しやすい環境です。必要に応じてオンプレ環境を選択することももちろんありますが、クラウド化に向かう世間の潮流もあり、結果的に開発や運用コストの低減にもつながり、お客様に良い提案ができます。

 

−−クラウドを選択するときのお客様の反応はいかがでしょうか。

今出:クラウドベンダーがセキュリティや信頼性を強化していることもあり、世間一般の考え方も変わりつつあります。昔は「大事な情報は自社内に溜めておく」という発想でクラウドへの抵抗感が高かったですが、いまでは「セキュリティがきちんと担保されていればクラウドでも良い」と容認に傾いてきています。クラウドにはコスト的なメリットもありますし、お客様のセキュリティ基準に合致するように設計されているため、理解してもらえています。

 

相園:また、保険会社様は「バックアップを確実にしたい」というご要望も多く、クラウドだと複数リージョンにわたり保管することが可能な点もメリットかなと思います。

 

−−他にも魅力があれば、ぜひ教えてください!

今出:直近はモバイルアプリの案件も多く、携わる機会が多いことも魅力の一つかと思います。私自身、JMDCで働くまでモバイルアプリ開発は未経験でしたが、挑戦する機会に恵まれていると感じます。ゆくゆくは「このアプリ、自分が作ったんだよ」と言えるようになりたいですね。

また開発での裁量が大きい点も魅力かと思います。要件次第ではありますが「ここはRailsが最適」だと思えば採用できるなど、開発言語やツールをエンジニア自ら選択することも可能です。

直近の取り組みではウェアラブルデバイスのデータとの組み合わせや、喫食データなどライフログテクノロジー様の「カロミル」との連携もあります。色々なデータと組み合わせることができるため、可能性はとても広がります。

 

相園:また保険業界だけに閉じずに社内の他事業部とも連携することもあり、今後のビジネスに繋がるような幅広いチャレンジができることも面白いポイントです。2023年2月にマイナポータルの医療保険情報をアプリ上で管理できる個人向けPHRサービス「ReCOELL(レコエル)」をリリースしました。部内で「このようなサービスを作りたい」と発案を提案したところ、実現に至りました。

ReCOELLのリリースにあたっては、エンジニアメンバーからUXやデザインについて多く案出しをしていただきました。職種を超えて意見を出しあえる部署なので、プロダクトに対しても「こういう機能の方が良いのでは」というのを素直に話し合える関係性がとてもいいなと思っています。

 

▲ReCOELL(レコエル)のサービス画面

 

情報共有が活発で、お互いを支え合う文化

−−JMDCのカルチャーにはどのような強みや特徴があるのでしょうか。

今出:情報感度の高いメンバーが多いなと感じます。「こういう商品が開発された」「学会でこういう発表があった」など、ビジネスに関係する情報感度が高いんです。

 

相園:業界や技術動向に加えて、お客様に対しての感度も高いため「あの会社ではこのような取り組みをしている」などキャッチアップをして、そこからニーズを拾い上げることもあります。お客様の情報をいち早くキャッチし、提案に結びつけるカルチャーはJMDCの特徴であり、強みだと思いますね。

 

−−その他にも特徴などあれば教えてください。

相園:部署の垣根を越えた助け合いもあります。先日インシュアランス&ヘルスケア本部が開発したアプリをアプリストアに申請していたところ、リジェクトが起きていました。アプリ申請に慣れた部署の方が気づいて「大丈夫?サポートしようか?」と助け船を出してくれたことがありました。

また、上司との距離も近いです。社長の松島さんやCOOの本間さん(取材当時)も含め、ふらっと話しかけやすい雰囲気が社内にはありますね。本間さんとは頻繁に壁打ちをさせてもらったり、助言をいただいています。

 

▲新年度開始時の本部会議での集合写真
(「インシュアランス&ヘルスケア本部(略称IB)」のIb ポーズです

 

−−社員同士の心理的な距離が近いのはなぜなのでしょうか。

相園:理由の1つに部活動が活発なことがあるかもしれませんね。フットサル、ボルダリング、野球観戦、フラワーアレンジメントなどたくさんあり、会社から活動費補助もあります。私自身は子どもがまだ小さいのであまり参加できていませんが、部活関係のSlackのやりとりを見るだけでも楽しいです。

 

今出:私はカメラですね。前からカメラが好きでしたが、これまで周囲に同じ趣味を持つ方がいなかったんです。相園さん同様に子どもがまだ小さくてあまり活動できませんが、最近カメラ部の仲間と一緒に最新の一眼レフカメラを購入しました。

 

相園:JMDCは子育て世代も多いので、そこへの理解もありますよね。私自身は現在子育て中で、フレックスを活用して早めに帰らせていただいたり、柔軟に働けていて働きやすい会社だと感じます。もちろんリリース前など忙しい時期もあるので、そこは臨機応変に対応が必要になりますが。

 

今出:私も同じく子育て世代ですが、困ったら互いに助け合おうという空気感があり、働きやすい会社だなといつも思っています。

 

−−メンバー同士の距離感が近く、働きやすい環境なんですね。それでは最後に、保険業界と向き合う面白さについて教えてください。

相園:保険業界は営業職員や代理店を通じて個人の方へ対面で販売することが多いため、JMDCがサービスやアプリをリリースすると、それらのチャネルを通じて多くのユーザーに使ってもらえる機会があり、開発する側は面白いと思います。そしてリリースして終わりではなく、フィードバックをもらいながらスピード感を持って改善もできることも、やりがいにつながると思います。

 

今出:システムを開発するにあたり、どのように世の中に出回るのか見守るのが私には大きな要素となります。誰もが抱えている健康を直接支えるサービスが提供できるのはすごく面白いですし、自分の健康意識も高まるのでやりがいにも繋がっています。

 

インシュアランス&ヘルスケア本部では現在、一緒に価値提供をしていただける仲間を募集しています!ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にエントリーいただけると嬉しいです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
もし少しでも弊社にご興味をお持ちいただけましたら、こちらの採用ピッチ資料をぜひ一度ご覧ください。