最高品質のヘルスビッグデータを持つJMDCだから実現できる、一歩進んだマーケティング


ヘルスビッグデータを強みとしてきたJMDCは、これまでのデータ分析やコンサルティングからさらにマーケティング領域に踏み込んだサービスを提供するためにこの度、マーケティングソリューション部を新設しました。今回は部長の小沢さんに、これまでのキャリアとマーケティングソリューション部創設の経緯を伺いました。

 

<プロフィール>
小沢 晴久(おざわ はるひさ)株式会社JMDC 製薬本部マーケティングソリューション部 部長
外資系ヘルスケアカンパニーにてマーケティング業務に従事した後、ヘルスケア領域を専門とする広告代理店の株式会社マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパンに入社。2018年同社のゼネラルマネージャーに就任され、社内最大のエージェンシーをリード。2023年JMDCに参画し、マーケティングソリューション部を創設。

 

感情とファクトでマーケティングが実現できるJMDCへ

— 小沢さんのこれまでのご経歴を教えてください。

元々はヘルスケアメーカーで一般薬のマーケティング業務に携わっていました。コミュニケーションをつくることが好きで、コミュニケーション領域に軸足を置いてキャリアを積みたいと考えて、マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン(以下、マッキャンヘルス)に転職しました。マッキャンヘルスでは約10年間営業部門に所属した後、全部門を統括するGMに就任し、5年ほど務めました。

営業時代のクライアントはほぼ全てが外資系の製薬企業でした。製薬会社はBtoBtoCのビジネスモデルなため、マーケティングも生活者や患者さん向けと医師を中心とした医療従事者向けの両方にコミュニケーションをするのですが、割合としては、医療従事者側に向けたソリューションの方が多かったと思います。やや変わった仕事ですと、外資系企業の日本マーケットでの会社の立ち上げを2回担当したのですが、これはとても良い経験でした。

実は今こうしてJMDCにいるのも、このころのクライアントに恵まれたからという部分が大きいと思っています。当時はまだ医療用医薬品マーケティングの知識も経験も乏しかったため、クライアントから多くのことを学びました。たとえば、製薬企業にとって一番重要なコミュニケーションチャネルはテレビでも雑誌でもなくMR(医薬情報担当者)であって、MRの方々が活躍できる材料を整えなければならないことや、製薬会社と医師との関係といった、根本的なことからクライアントのマーケティングの方々に教えていただきました。

 

— ご転職を決断されたのにはどのようなきっかけがあったのでしょうか。

そもそも2010年ごろから、マーケティング全体が大きく変化しはじめたんですよね。スマートフォンが普及し始めて、コミュニケーションの総量と言いますか、消費者が受け取る広告や情報の量が何十倍にも増えました。そうすると1つのクリエイティブや1つのメッセージだけで勝負することは難しくなります。

それまでは一般消費者向けのマスマーケティングと同様、BtoBのマーケティングでも、押し並べて日本を1つとして考えたときにどのようなブランドを確立すべきか、どのようなメッセージを発信すべきかという観点でプランニングすることが主流でした。ところが医師も含め、消費者が受け取る情報が激増したことで、より個人に最適化された1to1のコミュニケーションが模索されるようになりました。

ヘルスケア業界も例外ではなく、全く同じ変化が起きました。そのような変化の中で「広告代理店だけではファクトをプランに活用できない」という事実に直面し、その悩みは徐々に大きくなっていきました。本来であればリアルな世界で起きていること、ファクトをもっと知って、きちんとターゲットを絞った上でシャープなマーケティングをすべきなのにそれができない。ファクトと感情はどちらも大切で、感情の分析はたくさんしてきたのですが、もう一方の車輪であるファクトがないため推測に頼って戦略を立てざるを得ない、ということに幾度も直面し、その状況にもどかしさを感じていました。

たとえば、ペイシェントジャーニーをベースにマーケティングを行おうとした場合に、そのペイシェントジャーニーのなかにいくつも存在する、患者の態度や行動が変わる瞬間(モーメント)のなかで、どのモーメントのフラストレーションが高いのかを特定し、解消する必要があります。しかし、それすらも定量・定性のプライマリーリサーチやデスクリサーチによる分析のみをもとに推測してジャーニーを作成することしかできないのが実態でした。もしそこにリアルワールドデータがあれば、診断から治療の間、あるいは治療の第一段階から第二段階の間にどれほどのギャップがあるのかを定量的に捉え、チャレンジすべきポイントをより明確にすることができます。

 

▲JMDCが目標とするヘルスビッグデータ一例

マッキャンヘルスという会社自体は本当に好きでしたし、GMとして社長を支え、2人で会社を伸ばしてきて思い入れもありました。ありがたいことにクライアントにも恵まれていたため、正直転職しようとは思っていませんでした。ただ一方で「もっとこのようなデータがあればな。ここの情報があればもっとよいソリューションが提供できるのに」という思いを抱えながら仕事をしていた部分が少なからずあり、最終的にはこのまま自分のビジネス人生を終えて良いのか、と考えて飛び出す決心をしました。

 

— JMDCを選ばれた理由はなんでしょうか。

第一に、日本で一番リアルワールドデータに強い会社だと思ったことが理由です。また、先ほども話したようにデータだけではもちろんだめで、感情とデータ(ファクト)の両面、つまり行動と結果、そしてその理由からアプローチする必要があるということを考えたときに、おそらくJMDCはその両面から最も活用価値の高いソリューションを生み出すことのできる会社だろうとも感じていました。

JMDCにはデータサイエンティストやアナリスト、コンサルタントといったスペシャリストが集っているため、リアルワールドデータとスペシャリストと私がやってきたコミュニケーションを作るマーケティングの3つを掛け算することで、さらに価値を発揮できる会社になれると考えていますし、そこに貢献したいと思っています。

また、私には、M&Aや社内外との協業によって新たなサービスを生み出したりサービスレベルを上げたりする仕事をしたいという思いが、ビジネススクールを出たときからありました。現会長の松島さんと話をしたときに、JMDCは親会社だから、子会社だからということは関係なく、共によりよいサービスを提供するための仲間を増やしたいという思いでグループを拡大していることをおっしゃっていて、それは自分の考え方に近いなと感じられたことも入社を決めた1つのきっかけになりました。

 

▲JMDCグループの一覧

外資系の大きな会社のGMから日本の若い企業の一般社員になることで、環境も大きく変わるためもちろんたくさん悩みましたが、結局は自分の好奇心に従って、今ここで働いています。

 

— JMDCにご入社されて、ファクトを持っていることの強みは実感されていますか。

やはり最高品質のヘルスビッグデータを保有していることは本当に強いなと実感しています。広告代理店では頭を悩ませることで仮説を作っていたんですよね。それが手元のデータを見ながら、また社内のスペシャリストとディスカッションをしながら仮説を立てられるようになってとてもわくわくしていますし、マーケターとして喜びを感じています。

たとえば先ほどのペイシェントジャーニーの話でも、データをもとにこのあたりがペインポイントだと標的を絞ってインサイトを深ぼっていくため、より狙った感情の分析、行動の理由の分析ができるようになりました。

 

▲ヘルスビッグデータを用いたペイシェントジャーニー

また、JMDCのデータは場合によってはエリアごとの分析や施設ごとの分析が可能なため、プッシュ型ではなくより個別化したカスタマーセントリックなコミュニケーションを設計しやすくなっています。

マーケティングも多様化していますし、トレンドの変化もありますが、今後を見据えた場合にファクトを抜きにしたマーケティング戦略は立てられないでしょうから、好奇心旺盛なマーケターがさらにJMDCに集まってくれたら嬉しいです。

 

新たな部署の立ち上げはファクトを課題解決に繋げるための挑戦

— マーケティングソリューション部を立ち上げられた経緯を教えてください。

JMDCの持っているデータアセットはとても強く、クライアントもそこに価値を感じてくださっているので、データベース研究とデータそのものの販売、分析、コンサルティングが現在の当社の主なサービスです。これ自体はクライアントのニーズでもあり、大変意義のあることですが、それをさらにクライアントの課題解決に近づけていきたいという思いからマーケティングソリューション部を立ち上げました。課題解決から逆算して分析をし、アクション、ソリューションをこれまでのサービスに加えて提供していきたいと思っています。

分析業務は、データを持っているがゆえに、どうしても納品がメインになりがちです。しかし、課題解決をゴールにした場合、なぜそのような結果が出ているのかを考えていかなければなりません。この「なぜ」を追求しクライアントへの貢献度を高めることが我々の役割です。コンサルティング部もソリューションのサービスを提供しているため、コンサルタントと協業しながらサービスを強化していこうとしています。

 

— マーケティングソリューション部のサービスについてもう少し詳しくご説明いただけますか。

たとえば、ある疾患に適応を持つ薬剤AとBがあるとします。患者の検査値からすると薬剤Aが最初に使われるはずであるのに、リアルワールドデータをみると実際にはBのほうがよく使われているというようなケースは珍しくありません。これがいわゆるファクトで、このファクトを知ることをクライアントは求めているため、JMDCの持つヘルスビッグデータをもとに分析をして、ファクトを提供してきたのが既存のひとつのサービスです。

 

▲マーケティングソリューションプランニングのプロセス一例

一方で、なぜ薬剤Bが選ばれているのかがこの段階ではわかりません。この「なぜ」の部分を考え、仮説を立て、わからなければ調査をして解決策を提案し、クライアントと共にアクションに変えることがマーケティングソリューション部の仕事です。「なぜ」がわからないために、薬剤Aのマーケティングではリアルワールドにあまり即さないメッセージを発信している可能性があります。そのため、リアルワールドデータをもとに仮説を立て、マーケティング戦略やメッセージを見直すことが必要になります。その部分をクライアントと一緒に考えながら、課題解決を目指しています。

先ほどもお話したようにこのようなマーケティング施策の支援はこれまでもコンサルティング部でやってきましたが、我々の部門も連携して、JMDCはソリューションまで提案してくれるんだという認知を強くしていきたいと思っています。

 

製薬会社にとっての一番のソリューションパートナーを目指す

— 今後はどのようなチャレンジをされたいですか。

マーケティングの個別化にもっと対応していかなければならないと考えています。ターゲティングやエリアマーケティング、セグメンテーションにJMDCのデータを活用することで、サービス品質を上げていきたいです。

ヘルスケアの産業はエビデンスベースなため、データは大変重要ですが、多くは「事実を知る」ということが目的とされていて、コミュニケーションの改善や向上にデータを活用することにはまだまだ向上の余地があると考えています。繰り返しになりますが、日本の製薬企業の中で、ソリューションにもこれまで以上にデータを活用することを広げていきたいですね。

クライアントの依頼やニーズでもありますが、現在はデータ自体を販売する、あるいはデータを分析し、結果を納品するという、ファクトを出すところまでの仕事の割合が多くなっています。これ自体は今後も変わらずメインの業務のひとつだと思います。その先にある、クライアント、あるいは医師や患者さんの課題を解決するために、クライアントとディスカッションをし、ディスカッションの中から課題を発見して解決するカルチャーを築くことが私の役割のひとつだと考えています。

ファクトを持っていて、データリテラシーの高いJMDCが製薬会社の一番のソリューションパートナーになるべきであるし、そうなれると信じています。製薬会社にも若いマーケターが増えているため、そのような方々と新しいデータドリブンのマーケティングを作っていきたいです。また、マーケティング部だけでなくクライアントの様々な部署から相談を受けて、色々な課題を一緒に解決していけるパートナーになることで、お世話になった製薬業界へ恩返しができたら嬉しいです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
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